これはワークショップ・プログラムです。

まず始めに...

パフォーミング・アートには、まだまだ可能性があるように思います。

nestとしても、これまで見たことも体験したこともないような作品を作りたいのです。

パフォーミング・アートには様々な構成要素があります。
サウンドやライティング、建築、身体の動き等のことです。

こういった沢山の要素を同時に扱えるのが、パフォーミング・アートの長所だと思うのです。

それらが溶け合って一つの作品となっている状態、これを「総合芸術」と呼ぶのかもしれませんが、こうなるためにはどのような方法論が必要なのか−−これについては私たちも長い間考え続けてきました。そして各要素に通じる「共通言語」、そしてフィーリングのみではなく、分析的、数学的な視点も必要ではないかという仮説を持つに至りました。

そのnestの作品創作方法を題材にして、参加者の皆さんと新たなパフォーミング・アート(そしてマルチメディア・パフォーマンスの) 創作の方法論の可能性について話し合ってみたいのです。

具体的には、身体を動かしながら、参加者の方とサンプルの作品を創っていきます。体を動かすこととミーティングをすることの繰り返しになります。

体の動きを今回メインで取り上げるのは、あくまでも一つの例です。ですから、参加者の対象としては、ダンサーである必要はありません。演出家でも建築家でも作曲者でもかまいません。何かを作り出そうとしている人でしたら、どなたでもかまいません。

このプログラムはいいパフォーミング・アートを創ろうとするよりは、どのようにしたらパフォーミング・アートが成り立つのかということを主眼にしたものです。

対等なクリエイター同士の対話の場にしたく思っています。

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TEXT-01

作品創作上の姿勢について

A. 価値観や美学、思想を伝達する器としての作品づくりから、思想としての作品製作プロセスを捉えるという考え方への転換

□ 様々な価値観や美学、思想の共存の可能性

・様々な思想や価値観を持つアーティストによる共同作業の可能性を探る。

□ イメージの限界を超える

・面白いものをつくろうとすることではなく、どうやったら面白いものを生み出すことができるのかを考える。
・あらゆることが起こり得る可能性を構造的にとり入れる。

B. 作品製作プロセスの基本的な考え方

□「作品」を生成する

・作品形態の最終イメージを持たず、作品構成要素間のコミュニケーションに関するアルゴリズム作成にフォーカスをおき、作品を「生成」する。
・生命、都市の成り立ちなどをメタファーに、複雑な物事はどのようにして発生するかを考察する。

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TEXT-02

具体的な創作プロセスの考察(パフォーマンスパートを例に)

A. パフォーマーの動き製作法に関する基本的な考え方

□「動きを規定していく」ことから、「動きを生成するシステム」を構築することへ

・動きは全て、関係性から発生する。
・身体のあらゆる動きを取り込める可能性を獲得する。

B. 動き生成ツール

□ 動きが生成される動機を設定する。

C. 一次カップリング

□ 何人かで同じ時間、同じ空間を共有し、そこに共存のためのルールを設定する。
□ 環境設定(身体は、環境とどうかかわっていくか?)。

D. 二次カップリング(オーバーレイ)

□ 一次カップリングにおけるシステム同士が、共存するためのルールを設定する。

E. 音や映像など、他要素とのコミュニケートの可能性

□ 同様のプロセスで、他要素レイヤーの導入の可能性を考察する。

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技術情報
想定している参加者
ものを創造しようとしている人すべて(ダンサーに限らない)年齢性別国籍問わず
使用言語
日本語/英語
定員
10-15人程度
場所
動く場所が10m×10m程度あれば可
使用機材
一般的な照明機材(特に最終日用)
ビデオ・プロジェクター(nest持ち込み)
音響機材(最終日用)普段はラジカセで十分
ストップウォッチ(4〜5個)
机とイス(適宜)
期間
三日間程度